要介護認定とは|要支援1~要介護5までの判定基準・給付金の限度額・入居できる施設など

介護保険サービスを利用するためには、要介護認定または要支援認定を受けることが必要です。「要介護度はどのように判定されるのか」「『要支援』と『要介護』では何が違うのか」など、要介護認定の基本情報を分かりやすく解説します。

また、利用できる介護サービスの種類上限金額おすすめの介護施設の種類についても要介護度別に紹介していますので、介護サービスの利用を検討している人はぜひ参考にしてください。

要介護認定とは|要支援1~要介護5までの判定基準・給付金の限度額・入居できる施設など
今田 富男

この記事の監修

今田 富男

介護認定調査員

病院勤務、ケアマネージャー、自治体の認定調査員を経て、現在は認定調査専門の居宅介護支援事業所の代表をしている。2017年8月、ナツメ社より「現場で役立つ 要介護認定調査員 調査・判断の重要ポイント」を刊行。また介護認定調査員向けのWebサイト「介護認定調査員の部屋」の管理人。

要介護認定とは

「要介護」とは、介護が必要な状態のことです。

介護保険サービスを利用するためには、介護が必要な状態であるという客観的な判定を受けなければいけません。介護がどれくらい必要か、つまり要介護の度合いを数値で表したのが「要介護度」です。要介護度は「自立」から「要介護5」までの5段階です。

この要介護度を判断するためにおこなわれるのが「要介護認定」となります。「要介護認定」は、国が定めた一定の方法と基準に基づいて、各市区町村が実施しています。要介護の認定を受けた人は、要介護度に応じた介護サービスを利用できます。

要支援と要介護の違い

要介護度は以下の8段階で判定されます。

  • 自立
  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

自立が最も軽く、要介護5が最も重い段階です。この判定によって介護保険料の利用限度額や、利用できる介護保険サービスが決まります。

「自立」は介護サービスが必要ない状態で、介護保険が適用されません。要支援は本格的な介護は必要ないものの、介護予防を積極的にすべき状態です。「要支援」の認定を受けた人も「介護予防サービス」であれば利用できます。要介護は「すでに介護が必要な状態」です。介護保険サービスを、介護保険を用いて利用できます。

要介護(要支援)認定者数の推移

要介護認定は、介護保険制度が創設された2000年から始まりました。

要介護・要支援認定者数は、2020年3月末時点で約669万人です。制度開始の2000年度末(2001年3月末)当時と比べると、約2.6倍にまで増加しています。急激な少子高齢化や平均寿命の延伸などの影響を受け、介護を必要とする人が年々増加しているのは明らかです。また、要介護4・5など介護度の重い人よりも、軽度の人の増加率が高い傾向にあります。

要介護度別人口の推移
要介護度 2001年3月末 2011年3月末 2020年3月末 伸び率
要支援1 32.2万人 66.4万人 93.4万人 3.2倍
要支援2 66.8万人 94.4万人
要介護1 70.1万人 90.7万人 135.2万人
要介護2 48.4万人 89.7万人 115.6万人 2.4倍
要介護3 35.5万人 69.8万人 88万人 2.5倍
要介護4 36.3万人 63.8万人 81.8万人 2.3倍
要介護5 33.7万人 59.1万人 60.2万人 1.8倍
合計 256.2万人 506.2万人 668.6万人 2.6倍
参考:厚生労働省「令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)

なお、2006年4月以前は、要支援に1・2の区分がありません。同年の制度改正で、それまでの「要介護1」に対して「状態の維持・改善可能性」などの審査判定を追加実施し、新たに「要支援2」と「要介護1」に振り分けることになりました。併せて、従来の「要支援」が「要支援1」に改められました。

したがって、人口の推移を見るうえでは要支援1・2ならびに要介護1の区分が困難なため、3つを合計した数値で計算しています。

2009年度に改定された要介護認定の判定方法

2000年の制度開始以降、要介護認定の判定方法は3年ごとに見直されています。2006年、2009年には調査項目の変更と項目の判断基準の変更がありました。

2009年の改定の目的は「認定審査のばらつきを回避すること」「介護技術の進歩を取り入れ現状に合った審査にすること」です。調査項目の記載方法や審査会資料など、自治体や個人による差が大きい項目を変更するとともに、コンピュータ判定に用いるデータ更新や調査項目の変更が実施されました。調査項目に関しては、認知症についての項目を増やした反面、主治医意見書と重複する内容や客観的な回答が難しい項目を除外したことで、それまでの82項目から74項目に減少しています。

また、2018年には認定期限が最長36カ月までに延長されています。それに伴い認定審査会テキストの記載内容の変更や、介護サービスの追加に合わせた調査員テキスト記載内容の一部変更などが実施されました。

要介護認定の流れ

要介護認定の大まかな流れは「介護の手間に係る審査判定」を一次・二次の2段階で実施し、次に「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」を通して要介護者と要支援者を選別するというものです。

要介護認定の流れ

判定方法や基準について、順を追って詳しく見ていきましょう。

一次判定

「介護の手間に係る審査判定」の一次判定は、認定調査と主治医意見書の2つの情報に基づいてコンピュータで審査されます。

認定調査では、市区町村の認定調査員が心身状態について本人や家族から聞き取りをします。その回答を踏まえて導き出した情報です。なお区分変更や更新の場合の認定調査は、市区町村の職員以外に委託契約をしたケアマネジャーも実施できます。

認定調査については、以下の記事で詳しく紹介しています。

また、主治医意見書は疾病や負傷の状況などについて主治医による医学的な意見を記入したものです。

調査結果はコンピュータに入力され、認定調査の項目ごとに設けられた選択肢で枝分かれする「樹形モデル」と呼ばれる方法で分類されます。この分類方法の基盤として使用されているのが「1分間タイムスタディ・データ」です。介護老人福祉施設や介護療養型医療施設などに入所・入院している約3,500人の高齢者について「48時間のうちにどのような介護サービスがどれくらいの時間にわたって実施されたか」を調査したものになります。

コンピュータによる分類で「1分間タイムスタディ・データ」から心身の状況が最も近い高齢者のデータを探し出し、1日のうちに介護に必要とする時間を示す「要介護認定等基準時間」の推計値を求めます。推計する基準は、次の5分野です。

  1. 直接生活介助:入浴、排泄、食事などの介護
  2. 間接生活介助:洗濯、掃除などの家事援助など
  3. BPSD関連行為:徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末など
  4. 機能訓練関連行為:歩行訓練、日常生活訓練などの機能訓練
  5. 医療関連行為:輸液の管理、褥瘡の処置などの診療補助など

さらに、認知症があり運動能力が低下していない人に関しては、過去のデータに基づいて時間が加算される仕組みになっており、「認知症加算」といいます。

5分野の要介護認定等基準時間の合計と認知症加算の総計を基に、一次判定で以下の6段階に区分されるのです。

判定区分 要介護認定等基準時間と認知症加算の合計
要支援1 25分以上32分未満またはこれに相当する状態
要支援2 32分以上50分未満またはこれに相当する状態
要介護1
要介護2 50分以上70分未満またはこれに相当する状態
要介護3 70分以上90分未満またはこれに相当する状態
要介護4 90分以上110分未満またはこれに相当する状態
要介護5 110分以上またはこれに相当する状態

要介護認定を申請しようか迷っている人など、事前に一次判定の結果を予想したいこともあるでしょう。一次判定をシミュレーションできる便利なウェブサイトがあります。ただし、いずれも政府や市区町村の公式のものではなく、実際の認定結果と必ずしも一致するわけではありません。あくまでも参考として使ってみるといいでしょう。

一次判定シミュレーションができるウェブサイト

二次判定

二次判定では、一次判定の結果をもとに「介護認定審査会」が総合的に判断します。

介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者5名程度で構成される合議体です。一次判定に反映されていない特有の事情や特記事項を考慮し、必要に応じて一次判定の結果を変更できます。

状態の維持・改善可能性に係る審査判定

「介護の手間に係る審査判定」で要介護認定等基準時間が32分以上50分未満相当の人が「要支援2」と「要介護1」のどちらに該当するかを決定する審査です。二次判定と同じく、介護認定審査会が担当します。

「要介護1」と判定されるのは、次の2つの状態のいずれかに当てはまる場合です。どちらにも当てはまらない人は「要支援2」と判定されます。

  1. 認知機能や思考・感情等の障害により予防給付等の利用に係る適切な理解が困難である場合(目安として認知症高齢者の日常生活自立度Ⅱ以上)
  2. 短期間で心身の状態が変化することが予測され、それに伴い、要介護度の重度化も短期的に生ずるおそれが高く、概ね6カ月程度以内に要介護状態等の再評価が必要な場合
引用:厚生労働省「介護認定審査会委員テキスト2009改訂版(令和3年4月改訂) 26ページ 」

この「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」を通して要支援2と要介護1も区別され、最終結果として「要支援1、2」「要介護1~5」の7区分が決定します。なお、介護が必要ないと判断された場合の区分は「自立(非該当)」です。自立の人は、介護サービスおよび介護予防サービスのどちらも利用対象外となります。

また、要介護(要支援)認定には3~36カ月の有効期限があることを覚えておきましょう。これは、常にそのときの状態に適した介護サービスを利用できるようにするためです。要介護認定は自動的に更新されないため、有効期限が切れる前に更新が必要になります。更新は有効期限の60日前から申し込めますので、忘れないように申請しましょう。

要支援1の判定基準と心身状態

ここからは、利用可能なサービスや上限金額などについて、要介護度別に解説します。

要支援1は、要介護認定等基準時間と認知症加算の合計が25分以上32分未満、またはこれに相当する状態です。自立に最も近く、ほぼ自力で日常生活を送ることができます。ただし要介護状態にならないように、生活の限られた一部に見守りや支援が必要な状態です。

心身状態の例
  • 食事や排泄、入浴など基本的な日常生活は自分でできる。
  • 部屋の掃除など身の回りの世話の一部で見守りや手助けを必要とする。
  • 立ち上がりや片足立ちなどの動作に何らかの支えが必要な場合がある。

要支援1の区分支給限度基準額

要介護または要支援の認定を受けても、際限なく介護サービスを利用できるわけではありません。介護保険の適用上限のことを「区分支給限度基準額」といい、要介護度に応じてそれぞれ決まっています。区分支給限度基準額を超過すると全額自己負担となりますので注意しましょう。

区分支給限度基準額は介護報酬の「単位」で定められており、1単位あたりの単価をかけ合わせることで金額を計算できます。単価には地域差・サービスによる差がありますが、10~11.4円です。ここでは、1単位あたり10円で計算した金額を紹介します。

要支援1の区分支給限度基準額は5万0,320円です。

自己負担割合 金額
1割負担 5,032円
2割負担 1万0,064円
3割負担 1万5,096円

介護保険の自己負担額の割合は、所得に応じて異なります。本人の合計所得金額が160万円以上の場合は、2割負担もしくは3割負担の可能性がありますので確認してください。なお、要介護(要支援)認定を受けた人には、自己負担割合を明記した「介護保険負担割合証」という証明書が発行されます。

要支援1で利用できるサービス

利用できるサービスの種類や頻度は、要介護度に応じて異なります。要支援1の場合、週2~3回程度の介護予防サービスを利用できます。

下の表に記載している内容はあくまでも利用例です。この通りに利用しなければいけないわけではありません。実際は一人ひとりの状態に合わせてサービス内容や頻度を定める「ケアプラン」に基づいて利用します。要支援の人は、地域包括支援センターに相談することで「介護予防ケアプラン」を作成できます。

要支援1のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問型サービス(ホームヘルプサービスなど) ホームヘルパーが自宅を訪問し、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週1回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週1回

なかには施設への入居を考える人もいるでしょう。

要支援1の人が入居できるおすすめの施設形態を紹介します。具体的な受け入れ条件などは各施設によって違いますので、確認が必要です。

【おすすめの民間施設】

  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

【おすすめの公的施設】

  • ケアハウス

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では、見守りを受けながらも比較的自由な生活が送れるためおすすめです。

公的施設は要介護1以上の人を対象にしている施設が多く、要支援でも入居できる施設はケアハウス(軽費老人ホーム)のみに限られます。

要支援1についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください

要支援2の判定基準と心身状態

要支援2は、要介護認定等基準時間と認知症加算の合計が32分以上50分未満相当の状態です。ただし病気などにより心身状態が不安定な場合や、認知症などで介護予防給付を理解できないと判断される場合を除きます。

要支援1と比較すると、自分でできることが減り、生活の一部で介護や介助を必要とする状態です。

要支援2の心身状態の例
  • 食事や排泄はほとんど1人でできる。
  • 身だしなみなどの身の回りの世話で、見守りや手助けが必要になる。
  • 歩くときに何らかの支えを必要とすることがある。

要支援2の区分支給限度基準額

要支援2の区分支給限度基準額は10万5,310円です。

自己負担割合 金額
1割負担 1万0,531円
2割負担 2万1,062円
3割負担 3万1,593円

要支援2で利用できるサービス

要支援2の人は、週3~4回ほどサービスを利用できます。

要支援2のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問型サービス(ホームヘルプサービスなど) ホームヘルパーが自宅を訪問し、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週2回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週2回
福祉用具貸与 歩行補助つえ

【おすすめの民間施設】

  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅

【おすすめの公的施設】

  • ケアハウス

施設の入居にあたっては、要支援2と要支援1の違いはそれほどありません。将来を見据えて介護の手厚い施設に入居したいという場合は、要支援でも入居可能な「介護付き老人ホーム」を検討するのもいいでしょう。

要支援2についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください

要介護1の判定基準と心身状態

要介護1は、要介護認定等基準時間が32分以上50分未満相当、かつ病気などにより心身状態が不安定な状態や認知症などによって介護予防サービスの利用が難しいと判断される状態です。

心身状態の例
  • 起き上がりや立ち上がりが不安定で、何らかの支えを必要とする。
  • 手段的日常生活動作(電話の使い方、買い物、金銭管理、薬の内服など)の能力が低下している。
  • 認知機能が低下し、混乱や理解低下が見られる。

要介護1の区分支給限度基準額

要介護1の区分支給限度基準額は16万7,650円です。

自己負担割合 金額
1割負担 1万6,765円
2割負担 3万3,530円
3割負担 5万0,295円

要介護1で利用できるサービス

要介護1の場合は、週6~7回程度のサービスが利用できます。

要介護1のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問介護 ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週3回
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助をする。 週1回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週2回
短期入所 介護老人福祉施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受ける。 3カ月に1週間程度
福祉用具貸与 歩行補助つえ

【おすすめの民間施設】

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム(認知症の場合)

【おすすめの公的施設】

  • ケアハウス
  • 介護医療院(医療的ケアが必要な場合)

要介護1の人は介護を必要とする頻度がそれほど多くありません。そのため、介護サービスがあまり充実していないサービス付き高齢者向け住宅などでも、訪問介護を利用すれば十分生活できるケースが多数です。反対に、公的施設では介護度の軽い人を受け入れる施設が限られるため、選択肢は少なくなる傾向があります。

要介護1について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

要介護2の判定基準と心身状態

要介護2は、要介護認定等基準時間が50分以上70分未満またはこれに相当する状態です。

要介護1よりも多くの場面で介助が必要になります。

心身状態の例
  • 自力で立ち上がったり歩いたりすることが困難な場合が多い。
  • 排泄や入浴など基本的な日常生活においても、部分的に介護を必要とする。

要介護2の区分支給限度基準額

要介護2の区分支給限度基準額は19万7,050円です。

自己負担割合 金額
1割負担 1万9,705円
2割負担 3万9,410円
3割負担 5万9,115円

要介護2で利用できるサービス

要介護2の人は、1日1~2回程度のサービスを利用できます。

要介護2のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問介護 ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週3回
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助をする。 週1回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週3回
短期入所 介護老人福祉施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受ける。 3カ月に1週間程度
福祉用具貸与 認知症老人徘徊感知機器

【おすすめの民間施設】

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • グループホーム(認知症の場合)

【おすすめの公的施設】

  • ケアハウス
  • 介護医療院(医療的ケアが必要な場合)

要介護2であれば、民間施設を中心に受け入れ可能な施設は多数あります。ただ、サービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームは、介護の頻度が高まると暮らしにくくなる可能性もあります。中長期的な入居先を検討する場合は、どの程度まで対応してもらえるのかを事前に確認しておくといいでしょう。

要介護2について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

要介護3の判定基準と心身状態

要介護3は、要介護認定等基準時間が70分以上90分未満またはこれに相当する状態です。

要介護3になると、生活を通してほぼ全面的な介護が必要となってきます。

心身状態の例
  • 立ち上がりや歩行などが自力ではできない。
  • 排泄、入浴、着替えなどの日常生活でも全面的な介助が必要になる。

要介護3の区分支給限度基準額

要介護3の区分支給限度基準額は27万0,480円です。

自己負担割合 金額
1割負担 2万7,048円
2割負担 5万4,096円
3割負担 8万1,144円

要介護3で利用できるサービス

要介護3の人が利用できるサービスの頻度は、1日2回程度です。

要介護3のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問介護 ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週2回
夜間の定期巡回訪問介護 ホームヘルパーが、18時から翌朝8時の夜間に定期的に自宅を巡回し、排泄の介助や安否確認をする。 毎日1回
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助をする。 週1回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週3回
短期入所 介護老人福祉施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受ける。 2カ月に1週間程度
福祉用具貸与 車イス、特殊寝台(介護ベッド)

【おすすめの民間施設】

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • グループホーム(認知症の場合)

【おすすめの公的施設】

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護医療院(医療的ケアが必要な場合)

要介護3から公的施設「特別養護老人ホーム」の受け入れ対象になります。

また、民間施設の住宅型有料老人ホームは要介護度の受け入れ条件などが施設ごとに大きく違うのが特徴です。介護付き有料老人ホームと同様のサービスが受けられるところもありますが、なかには要介護3程度が受け入れ上限というホームもあります。ホームによっては、介護の度合いが少しでも上がると退去を求められる可能性もありますので、契約前にしっかり確認しましょう。

要介護3について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

要介護4の判定基準と心身状態

要介護4は、要介護認定等基準時間が90分以上110分未満またはこれに相当する状態です。

介護なしに日常生活を営むことが困難になります。

心身状態の例
  • 介護がなければ、食事や排泄などの日常生活もできない。
  • 移動が難しく車イスを使用する場合が多い。
  • 理解力が全般的に低下し、問題行動が見られることも多い。

要介護4の区分支給限度基準額

要介護4の区分支給限度基準額は30万9,380円です。

自己負担割合 金額
1割負担 3万0,938円
2割負担 6万1,876円
3割負担 9万2,814円

要介護4で利用できるサービス

要介護4になると、1日2~3回程度のサービスを利用できます。

要介護4のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問介護 ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週6回
夜間対応型訪問介護 ホームヘルパーが、18時から翌朝8時の夜間に自宅を訪問し、排泄の介助や安否確認をする。「定期巡回サービス」と「随時対応サービス」がある。 毎日1回
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助をする。 週2回
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週1回
短期入所 介護老人福祉施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受ける。 2カ月に1週間程度
福祉用具貸与 車イス、特殊寝台(介護ベッド)

【おすすめの民間施設】

  • 介護付き有料老人ホーム

【おすすめの公的施設】

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護医療院(医療的ケアが必要な場合)

要介護4で施設を検討するときは、介護体制だけでなく医療的ケアの充実度も視野に入れるといいでしょう。民間施設「介護付き有料老人ホーム」のなかには、「24時間看護師が常駐」「クリニックを併設」などのホームもあります。緊急時にも安心して任せられるかどうかが大切なポイントです。

要介護4について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

要介護5の判定基準と心身状態

要介護5は、要介護認定等基準時間が110分以上またはこれに相当する状態です。寝たきりであることが多く、介護なしには日常生活を送ることがほぼ不可能になります。

心身状態の例
  • 寝たきりのことが多い。
  • 日常生活全般で、すべての介助が必要になる。
  • 理解力や判断力が乏しく、意思疎通も困難な場合が多い。

要介護5の区分支給限度基準額

要介護5の区分支給限度基準額は36万2,170円です。

自己負担割合 金額
1割負担 3万6,217円
2割負担 7万2,434円
3割負担 10万8,651円

要介護5で利用できるサービス

最も重い要介護5になると、1日3~4回程度のサービスを利用できます。

要介護5のサービス利用例
サービスの種類 内容 頻度
訪問介護 ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事・排泄・入浴などの介護や、掃除・洗濯・買い物などの生活支援をする。 週5回
訪問看護 看護師などが自宅を訪問し、主治医の指示に基づいて療養上の世話や診療の補助をする。 週2回
夜間対応型訪問介護 ホームヘルパーが、18時から翌朝8時の夜間に自宅を訪問し、排泄の介助や安否確認をする。「定期巡回サービス」と「随時対応サービス」がある。 毎日2回
(早朝、夜間)
通所型サービス
  • デイサービス:デイサービスセンターなどの施設に通い、日常生活の支援や機能訓練などのサービスを日帰りで受ける。
  • 通所リハビリテーション:施設に通い、理学療法士や作業療法士などの専門職からリハビリを受ける。
週1回
短期入所 介護老人福祉施設や医療施設などに短期間入所して、日常生活上の支援や機能訓練などを受ける。 1カ月に1週間程度
福祉用具貸与 特殊寝台(介護ベッド)、エアーマットレス

【おすすめの民間施設】

  • 介護付き有料老人ホーム

【おすすめの公的施設】

  • 特別養護老人ホーム
  • 介護医療院(医療的ケアが必要な場合)

要介護5の人の施設入居にあたっては、ターミナルケアや看取りの対応ができるかどうかも大きな判断材料です。日常的に医療的ケアが必要なケースも多いため、必要な処置や対応を具体的に施設に伝えて相談することが大切です。

要介護5について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

自己負担を抑えられる「高額介護サービス費」制度

介護サービスの自己負担額は、時として高額になることもあります。上記の表のように、3割負担の人であれば10万円を超えることもあるほどです。

高額な負担を軽減するため、自己負担額が一定の上限を上回った場合、市区町村に申請することで超過分の払い戻しを受けられる「高額介護サービス費」という制度があります。上限額は所得によって6区分に分かれます。生活保護を受給している方は世帯あたり1万5,000円です。反対に、課税所得が690万円(年収約1,160万円)以上ある方は世帯あたり14万100円となります。

要介護度を問わず利用できる制度ですので、高額な介護サービス費用に悩んでいる人はぜひ活用するといいでしょう。詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

要介護認定の申請方法と流れ

要介護度別に、それぞれの心身状態の特徴や利用できるサービスについて述べてきました。では実際に要介護認定を受けてサービスを利用したいときはどうすればいいのでしょうか。

要介護認定の申請方法から判定が出るまでの流れを解説します。

STEP1 市区町村の窓口に行く

要介護認定の申請は、市区町村の窓口で受け付けています。

本人が窓口に行くのが基本ですが、入院中や心身状態によって本人が行くのが難しい場合は、家族が申請することも可能です。

また頼れる家族がいないという場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者による申請代行もできます。地域包括支援センターは、地域の高齢者支援の総合窓口です。申請代行に限らず、介護に関する不明点があるときはまず相談するといいでしょう。

STEP2 必要書類を提出する

要介護認定に必要な書類を提出します。代表的な書類は次の通りです。

必要書類
  • 要介護(要支援)認定申請書
  • 介護保険の被保険者証(65歳以上のみ)
  • 医療保険の被保険者証(40歳~64歳のみ)
  • 身分証明書(写真付きなら1点、写真なしなら2点)(※)
  • ※自治体によっては身分証明書が要らない場合もあります。

身分証明書は、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなど写真が付いているものであれば1点で問題ありません。介護保険証や医療保険証、国民年金手帳など写真がないもののみの場合は、2点が必要です。要介護(要支援)認定申請書にはマイナンバーの記入欄もありますので、マイナンバーカードか個人番号通知書も持参すると安心です。

また、本人や家族以外の人が代行申請する場合は、次の3つが追加で求められます。

代行申請に必要なもの
  • 委任状
  • 代理人の印鑑
  • 代理人の身元が確認できるもの

なお、要介護認定に使用される「主治医意見書」は、基本的に市区町村が直接主治医に作成を依頼します。そのため、事前に用意しておく必要はありません。しかし、主治医の氏名や医療機関の名称、所在地などを伝える必要がありますので、間違いなく依頼できるよう診察券などを持って行くといいでしょう。

ただし自治体によっては要介護認定を迅速に進めるため、申請時に主治医意見書の提出が求められる場合もあります。詳細な条件は市区町村によって異なりますので、不明点があるときは各自治体のホームページなどの情報を確認しましょう。

また、病院にかかっておらず主治医がいないなどの場合は、市区町村の指定医による意見書作成が可能です。要介護認定の申請時に、主治医がいない旨を伝えて相談してください。

STEP3 訪問調査

申請を済ませたら、市区町村の認定調査員による「認定調査」を受けます。

認定調査は、認定調査員が自宅を訪問して心身状況などについて本人や家族から聞き取るものです。普段できないことを本人が「できる」と伝えてしまうようなケースも見受けられますが、実態にふさわしい認定を受けるためにも実情を正しく伝えることが大切です。家族も同席する調査ですので、普段の状態をしっかり伝えるようにしましょう。

訪問日程については事前に連絡があり、本人や家族の希望をもとに相談しながら決定します。また、入院しているなどの事情で自宅での調査が難しい場合は、病院などで訪問を受けることもできます。その際も、家族が同席できる日程を選択しましょう。

STEP4 一次判定

「介護の手間に係る審査判定」の第一段階として、一次判定が実施されます。認定調査の結果と主治医意見書に基づいたコンピュータ判定で、介護に必要と想定される時間を表す「要介護認定等基準時間」が算出されます。

要介護認定等基準時間と認知症加算の合計による判定結果は「要支援1」「要支援2、要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」の6段階です。

STEP5 二次判定

一次判定の結果について「介護認定審査会」で審議します。

介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者で構成され、個々の事情や特記事項などが一次判定結果に正しく反映されているかを検討します。場合によっては、一次判定の結果が変更されることもあります。

また、一次判定では「要支援2」と「要介護1」が区別されていないため「状態の維持・改善可能性に係る審査判定」を実施します。疾病などにより状態が不安定と判断される場合や、認知症などにより介護予防給付を理解することが困難と考えられる場合は「要介護1」です。どちらにも当てはまらない人は「要支援2」になります。

これらの審査によって「要支援1、2」「要介護1~5」の7区分の判定が決定します。

STEP6 結果通知

要介護認定の結果は郵送通知です。基本的に申請から30日以内に、結果通知書と要介護度が記載された被保険者証が届きます。

万一、判定の結果が実態と大きくずれているような場合には、要介護認定の「区分変更」の申請が可能です。区分変更申請をすると、要介護認定の更新時期を待たずに再度認定を受けられます。ただし、要介護認定は客観的な判定ですので、希望通りの結果にならない可能性もあるということを念頭に置いて、区分変更の申請をするか判断しましょう。

要介護認定制度を理解して正しく活用しよう

要介護認定は、介護サービスを利用するための第一歩ともいえる制度です。介護の必要度を一定の指標で測ることを前提に、介護保険の制度が成立しています。そのため、要介護認定の結果によって、受けられる給付の金額や利用できる介護サービスも大きく異なるのです。

介護保険のほかにも「高額介護サービス費」の制度など、介護に係る負担を軽減するための制度があります。在宅介護でも利用できるサービスや適用できる制度は多数ありますので、情報を入手してぜひ役立てましょう。市区町村の窓口や地域包括支援センターも高齢者支援の窓口です。何か困ったことがあれば、家族だけで抱え込まずに一度相談するといいでしょう。

要介護認定をはじめ、介護に関する制度は複雑で分かりにくい部分も多く、さらに時代に合わせて変化しています。しかし本来、それらの制度は介護の負担を軽減することを目的に作られているものです。制度をしっかり活用するためにも、最新の情報を正しく理解しましょう。

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認知症高齢者の日常生活自立度について

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この記事のまとめ

  • 要介護認定を受けると、介護保険サービスを利用できる
  • 要介護認定は介護に費やす時間や対象者の状態によって決まる
  • 要介護認定は介護が必要になったらはじめに申請すべき制度

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