有料老人ホームとは? 介護付き・住宅型・健康型の違いと、よくある質問

有料老人ホームは、食事の提供などの生活支援サービスを提供する高齢者向け住宅です。介護サービスがホームから提供される「介護付き」と、外部サービスを利用する「住宅型」、介護が必要になると退去となる「健康型」の3種類があります。

有料老人ホームとは? 介護付き・住宅型・健康型の違いと、よくある質問
遠藤 木実

この記事の監修

遠藤 木実

介護のほんね 入居相談員

介護のほんね 入居相談グループ マネージャー。「介護のほんねの入居相談グループでは、老人ホームをお探しの方から年間2万件近くご相談を承っています。条件に合った施設の提案から見学予約の代行まで、入居相談員が老人ホーム探しをお手伝いします。お困りのことがあれば、お電話やWeb、LINEでお問い合わせください」

有料老人ホームとは「日常生活を送る上で必要なサービスが付いた高齢者向け住宅」

有料老人ホームとは、食事の提供など日常生活を送る上で必要なサービスが付いた高齢者向けの住宅のことです。法律では次のうちいずれか1つ以上のサービスを提供する施設と定義されています。

  1. 介護サービス(入浴・排せつ・食事の介助)
  2. 食事サービス(朝昼晩の食事やおやつの提供)
  3. 家事サービス(掃除・洗濯・買い物などの代行)
  4. 健康管理サービス(健康観察・服薬管理・訪問診療・緊急対応など)
有料老人ホームの定義

これら以外にも安否確認生活相談イベントレクリエーションリハビリなどのサービスが提供されています。

有料老人ホームを運営しているのは主に株式会社や有限会社などの民間事業者です。それぞれのサービスの有無や内容、費用はホームによって大きく異なりますので、まずは希望条件を整理しておきましょう。

有料老人ホームは、介護付き・住宅型・健康型の3種類

有料老人ホームには介護付き・住宅型・健康型の3種類があり、主に介護が必要になったときの対応に違いがあります。

介護付き 住宅型 健康型
施設数* 約4,400施設(全体の約4分の1) 約12,300施設(全体の約4分の3) 約20施設
入居条件 ・入居時自立型:自立
・介護専用型:要介護
・混合型:自立・要支援・要介護
自立・要支援・要介護 自立
介護保険 施設介護サービス(特定施設入居者生活介護) 居宅介護サービス 介護が必要になった場合は、原則退去となる
介護職員 24時間常駐 少なくとも日中常駐
看護職員 少なくとも日中常駐 規定なし
要介護者:職員 3:1以上 規定なし
居室 1人あたり13㎡以上 1人あたり13㎡以上
*出典:厚生労働省「社会福祉施設等調査(令和3年)」、「介護サービスの情報公表システム オープンデータ(2022年6月末時点)」、公益社団法人 全国有料老人ホーム協会「平成25年度 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業」より概算

介護付きの場合、特養や老健などの介護保険施設と同じように施設職員が24時間介護サービスを提供します。一方の住宅型の場合、自宅と同じように外部の事業所の居宅介護サービスを利用する必要があります。また、健康型は介護が必要になった場合は退去することが前提で、全国に該当する施設がほとんどありません。

有料老人ホーム 介護付きと住宅型の違い

「介護付き有料老人ホーム」のメリット・デメリット

介護や看取り、医療連携など、手厚いサービスが受けることができるため、住み替えが必要になる可能性が低いのが介護付き有料老人ホームです。介護サービス費は要介護度に応じて定額ですので、費用の変動が少なく資金計画が立てやすいこともメリットと言えるでしょう。

ただし、外部の介護サービスは利用できないため「現在のケアマネさんがいい」「現在使っているデイサービスや訪問リハビリを引き続き利用したい」という方には向きません。また、要介護度が低いうちは住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のほうが費用を抑えられることがあります。外出や面会に制限があることも多いため、行動の自由度を重視する方は検討時の確認項目に加えましょう。

メリット デメリット
  • 24時間介護を受けられる
  • 医療連携が取れている施設が多い
  • 看取りに対応している施設が多い
  • 住み替えの可能性が低い
  • 費用の変動が少ない
  • 要介護度が低いと割高なことも
  • 外部の介護サービスが利用できない
  • 外出や面会に制限があることが多い

「住宅型有料老人ホーム」のメリット・デメリット

開設にあたって規制が少ないことから、近年数を増やしているのが住宅型有料老人ホームです。介護付き有料老人ホームのように定額で包括的にサービスが提供されるタイプの施設は、サービスが不要な人にとっては割高になりがちです。自立や要支援の方、要介護度がまだ低い方にとっては、サービスを選ぶことができる住宅型有料老人ホームのほうが費用を抑えられます

中には設備の一部が必ずしもバリアフリーとは言えなかったり、夜間にスタッフがいなかったりする施設もあるため、住み替えの可能性も考慮する必要があります。

メリット デメリット
  • 費用を抑えられる
  • 必要な介護サービスを自分で選べる
  • これまで利用していた介護サービスを入居後も引き続き利用できる
  • 設備がバリアフリーとは限らない
  • 自立から入居できる施設が意外に少ない
  • 医療行為が必要になると住み替えが必要になることがある

「健康型有料老人ホーム」のメリット・デメリット

健康型有料老人ホームは自立の方向けの施設です。「介護が必要になった場合は原則退去となる」という特性から、全国的にも数の少ない施設形態です。自立でも入居できるホームであれば、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームの中にも該当施設があるので、そちらをご検討ください。

メリット デメリット
  • 自由度の高い生活が可能
  • アクティビティが豊富
  • 多額の費用がかかることが多い
  • そもそも数が少ない

有料老人ホームに関するよくある質問

Q. 入居するには、高額な一時金が必要なんですか?

A. 入居に高額な費用がかかる施設はごく一部です。

有料老人ホームの費用の支払い方法は大きく分けて前払い方式月払い方式の2種類があります。前払い方式は入居時に5〜10年分程度*の居住費を入居一時金として前払いすることで施設やサービスの終身利用権を得るもので、数百〜数千万円のまとまった資金が必要です。一方の月払い方式は、居住費やサービス費を毎月支払うため、入居時にかかる費用は敷金が0〜数十万円程度です。

*期間は施設や入居時の年齢によって異なります。

有料老人ホームの場合、月払い方式を選べる施設が全体の8割*を占め、必ずしも多額の初期費用がかかるわけではありません。介護のほんねにご相談いただければ、予算に合った施設をご提案いたします。

*出典:PwCコンサルティング合同会社「令和3年度 高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究 報告書

Q. 夫婦で入居できるホームはありますか?

A. あります。ただし2人部屋の数は限られるため、隣り合う部屋を2つ契約して入居する方も多くいます。

当たり前ではあるのですが、ご夫婦で老人ホームへの入居を検討される場合、2人部屋を希望される方がほとんどです。しかし、2人部屋の数は限られているため、隣り合う部屋を2つ契約して一方をリビングルーム、もう一方をベッドルームとして使うご夫婦もたくさんいます。1人部屋を2つ契約することには次のようなメリットもあります。

  • 伴侶が認知症を発症しても、生活空間が分かれているので介護疲れに陥りにくい
  • 伴侶が亡くなっても、2人分の家賃を払い続ける必要がない
  • 伴侶が亡くなっても、部屋を移動する必要がない

Q. 保証人がいないと入居できないのでしょうか?

A. 入居後の生活をサポートしていただくために、保証人が必要です。

保証人(主にご家族)の方には費用滞納時の保障に限らず、入院時の対応や手続きの代行、緊急時の連絡先、死亡時のご遺体や遺品の引き取りなどをお願いしています。保証人をお願いできる方がいない場合は、成年後見制度保証会社を利用できることが一般的です。

介護のほんね入居相談員からのメッセージ

介護のほんね 入居相談員:遠藤より

「有料老人ホームって入居するときに何千万円もかかるんでしょ?」「お金を持っていないと入れないんでしょ?」というお声をよく耳にしますが、実際のところ入居金0円で、月額費用も年金の範囲内で検討できるホームが全国にあります

お看取りについても「看取りまでお願いするなら、介護付き有料老人ホーム」とお考えの方が多いのですが、住宅型有料老人ホームの中にもデイサービスや小規模多機能居宅介護(小多機)を併設することで、介護付き有料老人ホームと遜色ないサービスを提供している施設もあります。

誤った思い込みや固定概念を持ったまま施設探しをすると、なかなか希望の施設にたどり着けず、遠回りになってしまうことがあります。大切なのは皆様の中にある老人ホームに対する思い込みや固定概念を捨て、ご自身の希望を明確にすることです

もし気になった施設があればできるだけ足を運んでみてください。そうすればおのずと入居後の生活がイメージでき、希望条件の優先順位も明確になるかと思います。

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更新履歴
  • 2023/01/20 全面更改
  • 2020/11/26 初版公開

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